2017年06月18日

2017年4月クール・ドラマを振り返って




2017年4月クール・ドラマであるテレビ朝日

「警視庁捜査一課9係 Season12」が、 始まる前に、渡瀬恒彦さんの

訃報がありましたが、今クールのドラマが最終回を迎えつつある13日に、




遺作となったテレビ朝日「やすらぎの郷」の野際陽子さんの訃報も伝えられ、

テレビドラマで、活躍された二人だけに哀悼とともに、ドラマ好きの私には、

特にドラマを考えさせられるクールとなりました。



野際陽子
渡瀬恒彦さんについては、以前に書きましたので、今回は
野際陽子さんについて少し書きますが、元NHKアナウンサーであり
元局アナからの転身女優として、最も成功した女優さんと言う気がします。
又、フランス帰国後、飛行機から外国の最先端ファッションだった
ミニスカート姿で登場し、「日本におけるミニスカート第一人者」とも
言われたファッション性、そして元NHK局アナと言うインテリジェンスを
兼ね備え、視聴率30%以上を記録し一世を風靡したテレビドラマ「キイハンター」
では、主題歌の「非情のライセンス」も歌うなど、トレンド女優であり、



その後、テレビドラマ「ずっとあなたが好きだった」で息子・
冬彦(佐野史郎)を溺愛ママ役を演じ、当たり役となり
多用な母親、キャリアウーマンなど多彩なキャラを演じる女優となり
年齢に応じた女優像を作り、人気を保ち続けた女優さんです。



特に晩年、「浅見光彦シリーズ」の浅見光彦の母・浅見雪江、
「TRICKシリーズ」 の山田奈緒子の母・山田里見役は
シリアスな母と言う面と、インテリジェンスを漂わせながら
そのギャップを上手く利用したユーモアや振り切れる一面がある
コミカルな演技は、ちょっと他のベテラン女優さんでは
出せない絶妙な演技でした。



ゲスト俳優
一話完結連続ドラマでは、ゲスト俳優の演技がポイントに
なる事がありますが、起用が上手かったのがテレビ朝日の
「緊急取調室」で、シーズン2となり、レギュラーの安定感に
変化をつけるエッセンスとなり、レギュラーと良い化学反応が見られました。
「刑事コロンボ」と同様、予め犯人が解っていて、取調べが
メインだけに、ゲスト俳優の個性を生かした演出が光りました。
特に最終回、鶴見辰吾さんと眞島秀和さんの取調べの緊迫感は
見応えがありました。


共感
前クール・日テレ「東京タラレバ娘」が、女性の支持を
受け、なかなか好調でしたが、冴えない理系女子達が、
お洒落・イケてる女を目指すフジテレビ
「人は見た目が100パーセント」の主演が、
「世界で最も美しい顔100人」にもランキングされ、
もう十分イケてる女・桐谷美玲さんでは、メインターゲットで
ある若い女性の共感は得にくい気がし、佐藤 聖良役の



ブルゾンちえみさんが、注目されたのは、解る気がします。
昔のフジテレビなら、失敗覚悟で、今トレンドの若手ピン芸人の
一人であるブルゾンちえみさんを主役にするチャレンジ精神が
あった気がします。
何故かジャンルは多少違いますが、酒井藍さんを吉本新喜劇史上初の
女座長にしたニュースと比較してしまいます。



せっかく冒険したのに、放送時間枠違い
前述の冒険しない「人は見た目が100パーセント」に対して
フジテレビが、主人公は探偵でありながら推理せず、使用人に
推理をさせる貴族という斬新な企画で冒険した「貴族探偵」で、
私も期待したですが、成績はそう悪くないのですが、「月9」で
背水の陣のレギュラーに豪華なゲストの割りに、
対費用効果が悪く、「緊急取調室」に比べ、ゲストが余り
生かされていませんでした。



「月9」は、そもそもヒーロー&ヒロインがキラキラ輝くドラマですが
使用人達の推理どうしてもメインで、相葉雅紀さんのファン
も物足らないでしょうし、「戦力外捜査官」の武井咲さんの
ズッコケる面白さであれば良いのですが、推理違いだけが
クローズアップされる武井咲さんも、何かちょっとヒロインと言う
感じがしません。
せっかく冒険したのに、放送時間枠が違ってる感じで、テレ朝の
金曜深夜ドラマのような時間帯で、いっその事、使用人達を
主演にしたドラマなら、コスパの良いドラマに仕上がった気がします。



コスパ
費用をかけた割に、効果が伴わなかった「貴族探偵」ですが、
同じフジテレビ「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」は、
TBS「小さな巨人」と言う強力なライバルがいる中、又、
レギュラーに比べ、ゲスト俳優は、決して認知度が高い
俳優さんが多くありませんでしたが、 視聴率的に



及第点で、今クールでコスパに優れたドラマだった気がし、
主演の櫻が個性的で、ヒーロー&ヒロインが活躍し
「貴族探偵」より「月9」らしいドラマだった気がし、
良い企画やコンテンツながら、それを活かしきれず
他社に後塵を拝するフジテレビにモドカシサを感じます。



お約束の勝利
マンネリと言われながらも、人気が高い「水戸黄門」は、
やはり、お約束・定番の安心感の効果が絶大です。
シーズン2を迎えてるテレビ朝日「警視庁 捜査一課長〜ヒラから
成り上がった最強の刑事!〜」はSPドラマから連続ドラマ化され
良い意味で、お約束・定番を上手く引き継いでいます。
今迄、中心に据え置かれる事が無かった「警視庁捜査一課長」の
切り口の斬新さに、加えたお約束シーンがあります。



◎番組冒頭、事件の電話を受ける捜査一課長
◎遺体発見現状での、大福こと平井 真琴の勘、
鑑識課主任・武藤 広樹の細かい数字、
◎大岩捜査一課長の側近中の側近である運転担当刑事の
 修行風景
◎捜査会議での管理官の指示や大岩捜査一課長のゲキ
◎大岩捜査一課長の上司・警視庁刑事部長の笹川 健志の
業とらしい登場と、老練な捜査のヒント
◎大岩捜査一課長の妻・大岩 小春や飼い猫ビビとの
 家庭での事件解決に至るヒントやラストのシーン
など、大福の差し入ればかりで、他のモノも差し入れしろの
ツッコミもいれながら見てしまう、横綱の得意組み手に
持ち込むようなテレビ朝日の巧妙な術中にはまる私も含めた
視聴者が多くいます。



又、フジテレビ「踊る大捜査線」では、捜査本部の設営や会議シーンが
秀逸で、キャリアとノンキャリアの隔絶を描く一方、それが真下正義の狙撃を
代表するように、全署、全警察組織一丸となった捜査姿勢が感動を呼びましたが
金田明夫さん演じる「探し、見つけのヤマさん」こと小山田 大介を中心にした
チームの地道な捜査姿勢が、大きな魅力となっている事も見逃せません。



予定調和を崩す
フジドラマ「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」は、ドラマ「sp」を
踏襲するような格闘シーンと白黒でなくグレーゾーンの決着、
西島秀俊さんと石田ゆり子さんの出演で「、ドラマ「MOZU」のような
感じもありますが、ハードボイルド的で、描き方が面白いです。
「緊急取調室」の最終回ゲストの眞島秀和さんの後半、ミステリアスな
存在の石田ゆり子さんはドラマの盛り上げ、又、今回、今までで一番
当たり役とも言える大山玲役で、存在感を魅せた新木 優子さんは
同じフジテレビ「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命」のシーズン3
で、横峯あか役を務め、今後注目女優さんの一人です。



悪女
フジテレビ「サイレーン」で、橘カラ役の菜々緒さんが
悪女役デ一気に女優としてブレイクし、今クール
日テレ「ボク、運命の人です。」では、当時,敵対するキャラが
仲の良い友達キャラでの再共演と言うのも面白い感じです。
今クールTBS「あなたのことはそれほど」では、清純、爽やか
イメージの波留さんが、女の敵的キャラで、業界内の評価は急上昇し
女優としてステップアップした感じがあります。



かつて、名取 裕子さんがNHK松本清張「けものみち」の悪女役で
女優開眼し、、同じく、米倉涼子さんが、テレビ朝日・松本清張
「黒革の手帖」で、大女優となり、次クールでは
同じく、米倉涼子さんのオスカーの後輩・武井咲さんが、
「黒革の手帖」で、主演に挑みます。



シリーズ化と路線化
TBSは、ドラマ「JIN-仁」、「半沢直樹」の大ヒットで、
マンネリ化を嫌い、シリーズ化と言うより、同じような
路線ドラマ、今回なら「小さな巨人」で、大ヒットホームランを
狙う傾向があり、テレビ朝日は「科捜研の女」、「相棒」、
「警視庁捜査一課9係」など、シリーズ化が、中でも刑事モノが
得意で、「警視庁 捜査一課長」も仲間入りそうで、コンスタントな
ヒットを狙い、、一度当たれば、とことんシリーズ化を
進める米ドラマのような戦略傾向があるようです。



再ブレイク
近年、石田ゆり子さん、斉藤由貴さんなど、かつて
女優や歌手としてブレイクし、以前とは違った大人キャラで
新たな魅力を発揮する女優さんの活躍が目立っています。
木村佳乃さんのように、結婚して吹っ切れた一面もあるのか
テレビ「イッテQ」などお笑い芸人顔負けの体を張ったなりきりキャラで
ファン層や好感度を拡げ、それが演技面の幅となっている女優さんもいます。



今クールでは、日テレ「母になる」では、最近復活傾向がありましたが
沢尻エリカさんが、日テレ得意の「Mother」を代表とする
母モノドラマで、 主婦層の共感を得られ、ドラマ「タイヨウのうた」
映画「手紙」などの雰囲気を取り戻した事は、大きな成果です。
波留さんは、演技上嫌われキャラで、女優評価が高まり、沢尻エリカさんは
ドラマキャラで、支持層を広げるドラマのキャライメージは、面白い存在です。



NHK BSプレミアム・プレミアムステージ
    「ハムレット」


日本テレ「ボク、運命の人です。」で、ライザップ的
満島真之介のキャラが面白く、前クールでは、ドラマ
TBS「カルテット」の変人キャラが魅力的だった満島ひかりさん、
TBS「リバース」では、藤原竜也さんが主演していますが
先日、NHK BSプレミアム・プレミアムステージ
蜷川幸雄演出「ハムレット」で、この三人が出演していました。
逝去された平幹二朗さんの殆どふんどし一丁的衣装で、舞台上で
水をかぶる体当たりシーンにも、役者魂にも感心しましたが、



この舞台は、以前好評を博した舞台の再演で、蜷川さん自身が
最後の演出と言う自覚で演出にあたり、そのドキュメント番組で
藤原竜也さんは、以前の演技を蜷川さんに全否定され、再構築の
演技に悩む姿や、満島真之介さんや満島ひかりさんも、暗中模索的な
シーンが描かれ、こういった経験が、俳優を成長させるのだと言う
気がしました。








posted by 橙花 薫 at 00:00| TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする