2017年02月24日

「歴食(れきしょく)」ブームの兆し



歴女など歴史ブームから派生したと言える、武将、お城、刀剣などに

続き、「歴食」ブームの兆しが見えています。



歴食
昔の人が食べていた食事を、味付けも含め、ほぼ忠実に
再現した「歴食」が、全国に生まれています。
以前から、バラエティー番組での再現企画や武将・文人など
好んだ料理などを観光協会やホテル・旅館などが
観光資源として提供するなど等が行われていました。


奈良パークホテル ・
長年研究を重ね再現した1300年前の
古代宮廷料理フルコース!


奈良パークホテル
草分けとも言えるのが、奈良パークホテル(奈良)の
「宮廷料理・天平の宴」で、平城京の出土品などをもとに
1984年に再現したフルコースで、素材を生かした肉や魚の干物、
乳製品の蘇(そ)、油であげた唐菓子などを特注の土器皿に盛り付け、
奈良時代の屋敷を思わせるしつらえの部屋で薄暗い灯火のもとで
頂く趣向で、食材の関係で四季ごとに内容は変わり、
年に数回来る人も多いとか。



醍醐味
醍醐(だいご)とは、仏教の大乗経典「大般涅槃経」の中に、牛乳を
精製した五味の中で、順に乳→酪→生酥(蘇)→熟酥(蘇)→醍醐と精製され
一番美味しいものとして書かれ、これが醍醐味の語源として
仏教以外でも広く一般に知られるようになりました。
延喜式では、蘇の製造が規定され、醍醐を製造する前段階の
乳製品であることから、蘇をベースにさまざまな手法で濃縮、熟成させ、
醍醐を作り出す試みがなされています。



認定歴食
「歴食」は、単発的には、各地域に存在したのですが、
団体が体系的に、全国的規模・視野で提唱・企画実施したのが、
山口商工会議所山口名物料理創出推進会議と言われています。
昔の人が食べていた、味付けも含め、ほぼ忠実に再現した食品と
言う事だけでなく、日本全国の「歴史的なストーリーを有した、



価値ある食」を、「歴食(れきしょく)」と定義し、付加価値を
つけた事が画期的で、「歴食」という言葉は、2014年
山口市の山口商工会議所が、町おこしに向け、料理を再現していく中で、
他の地域にもこういう試みがあると思い、考えついたとか。
現在、東北から九州までの地域に縄文時代から幕末までを
テーマにした10以上の「認定歴食」が存在しています。



歴食JAPANサミット
昨年2月歴食関係者が一堂に会し、相互交流を深めるとともに
「歴食」が、各地域のブランドとなるよう全国への発信インベント
として「歴食JAPANサミット・第1回大会in山口市」が
実施され、町おこしの起爆剤にと考える自治体も増え、
26日には島根県益田市で第2回サミットが開かれます。

▽第2回歴食JAPANサミット
日時:平成29年2月26日(日)10:00〜15:00
場所:島根県芸術文化センター グラントワ(益田市有明町)

認定歴食一覧



土器片クッキー「Dokkie/ドッキー」(神奈川)
ドッキーとは、土器片そっくりのクッキーで、生地を粘土に見立て、
先史時代の土器作りと同じ方法で文様を付けてオーブンで焼きます。
お菓子作り考古学者ヤミラさんが考案したこのドッキーは、
レシピはクックパッドで公開中。


万葉の森公園

万葉食 貴族の御膳(静岡)
万葉集をひもとくと、多くの植物や動物が詠まれたうたが登場し
浜松・浜北ゆかりのうたが4首あり、浜北地域の女性グループによる
浜北万葉食研究会「月草の会」は、1998年から万葉食の研究で
当時の食生活を再現することを目指し、現代人の口に合うように
アレンジ研究を重ねた結果生まれたのが、「万葉食 貴族の御膳」で
化学調味料を一切使わず、極力当時の味を再現しています。

万葉亭(万葉の森公園内)
メニュー/貴族の万葉食・庶民の食事 
※万葉食は原則として4人以上予約制



益田氏の饗応料理(島根)
鎌倉から室町時代にかけて交易地として栄えた益田市。
1568年、益田藤兼・元祥親子が吉田郡山城にて毛利元就を
迎え祝宴を催し、この時の記録が「益田家文書」に残り、
その料理を再現するため、2008年8月に、市内商工業者を
中心とした有志で、益田「中世の食」再現プロジェクトを
立ち上げ、苦労の末再現したのが「中世の祝膳」です。


蔵元レストラン 世嬉の一

奥州藤原膳(岩手)
平安時代後期、東北地方で栄華を極めた奥州藤原氏。
その当時食されていたであろう「平安時代のお食事」を
現代に甦らせたが「奥州藤原膳」。
醤油や味噌などなかった奥州平泉時代は「酒、もろ味、黒酢、塩」
この4つの調味料を使って、食べていたであろうと考えられ、
そのまま再現しています。
世嬉の一酒造梶@蔵元レストランせきのいち(要予約)


奈良パークホテル ・
長年研究を重ね再現した1300年前の
古代宮廷料理フルコース!


宮廷料理 天平の宴(奈良)
宮廷の宴を、現代人の嗜好と感性を加味した古代ヘルシー料理
として再現したのが、この「天平の宴」です。
平城宮では、発掘調査が行われ、食材や調理法等の詳細な情報を
得ることができ、古代史の解明が飛躍的に進みました。
奈良パークホテルで、研究を重ねること5年、ついに
万葉の宮廷料理「天平の宴」が完成しました。

奈良パークホテル


平成大内御膳

平成大内御膳(山口)
1500年、室町幕府・第十代将軍・利義稙が山口の大内義興を
訪問した際に、大内氏側は、中世最大の宴を催して歓待しました。
その時の記録が「明応九年三月五日将軍御成雑掌注文」と
して残され、この記録を元に、現代に甦らせたのが
「平成大内御膳」で、古文書通りに復元された32膳の将軍供応膳を、
16品、10品など3コースに仕立てたもので、湯田温泉の
各施設で提供されています。



湯田温泉・西村屋(山口市・熊野町)
山水園・臨水(山口市・熊野町)



西の雅・常盤(山口市・熊野町)
防長苑(山口市・熊野町)
          ※詳細確認要



本丸御膳(熊本)
熊本の貴重な料理秘伝書「料理方秘(1803年)」や、近世熊本の
食品・料理集「歳時記(1817年)」をもとに、武家の儀礼的な
料理様式本膳料理を参考にし熊本名物もとりいれ、
現代の嗜好に合わせた「熊本城本丸御膳」。

郷土料理青柳(熊本市中央区下通)



三角縁神獣鏡チョコ(福井)
福井市花野谷1号墳から発掘された三角縁神獣鏡。
三角縁神獣鏡をチョコレートで再現したのが「三角縁神獣鏡チョコ」。
福井市郷土博物館の三角縁神獣鏡チョコ作り体験は、
学芸員が展示用のレプリカからシリコン型を作成し、
その型にチョコレートを流し込んで三角縁神獣鏡の
鋳造体験をするというモノで人気だとか。

福井市立郷土博物館



縄文どんぐりクッキー(鹿児島)
縄文時代の遺跡からは、食品と思われるクッキー状のものが
出土することがあり、調査の結果、クリやクルミなどのほか、
ドングリも材料の一つとして使われていた事がわかり
鹿児島県の琴鳴堂が作ったのが「縄文どんぐりクッキー」。
ドングリや、縄文時代に大豆や小豆などの栽培が行われていたので
それらも材料としてしっかり混ぜ込み、さらに、現代人が
食べやすいようアレンジも加えて完成。

琴鳴堂



古代妄想スウィーツ(奈良)
ヤマト政権の勢力拡大と共に広まったとされる前方後円墳を、
ケーキという観点から表現し、ケーキ本体は、古墳同様、
本格3段築盛、土をイメージしたチョコクリームと
盛りをイメージした抹茶スポンジで覆い、周囲には円筒埴輪、
内部には、勾玉、土器片、鏡片を埋蔵?、発掘スコップ型
スプーンで発掘しながら、食べます。

奈良 プティ・マルシェ



新選組御膳・和宮御膳(愛知)
中山道の赤坂宿があった岐阜県大垣市の「和洋会席かなぶ」が
幕末に将軍家に嫁いだ皇女和宮や新選組隊士が宿泊した
赤坂宿の「赤坂宿本陣宿帳」に残る記載などをもとに江戸時代の
料理本も参考に当時の味付けを復元したものです。

和洋会席かなぶ

その他の歴食


ホテルニュー江刺
”えさし藤原の郷&郷土文化館”入場券+
朝食付プラン


岩手県奥州市・
      えさし藤原の郷・平安時代食

平安時代のテーマパークで、平泉文化を築いた奥州藤原氏の
軌跡を辿り、古代から中世にかけての東北の歴史と
文化を体感でき、ドラマのロケ地としてもよく使われます。
「平安時代の食事の再現」をテーマに、文献や資料を紐解き研究された、
現代人に合う「平安時代食」がメニューとしてあります。
(5名からで、事前予約が必要)


六盛「手をけ弁当」

京都・六盛・創作平安王朝料理
手をけ弁当が有名ですが、平安建都千二百年を記念して
作られたのが「創作平安王朝料理」は、丹念な史実考証や
故実に基き、完成までに五年の歳月を注いで創作再現。
献立は食前酒の「薬酒(くすざけ)」に続く一進は
「祝菜(ほがいな)、中央に御物(おもの)と呼ばれる
ご飯を高く盛り付け、その周囲金塗の器に彩られた「おまわり」
(そ・ほじし・すわやり・むしあわびなど)が
円周状に並び、数が多いほどご馳走であったところから
「かずもの」の別称が生まれ、これが、やがて「おかず」に
なっていったと言い、横には調味料である「四種器(よぐさもの)」が
添えられ、料理は二進から十進まで続きます。(要事前予約)



料理昔ばなし 〜再現!江戸時代のレシピ〜
時代劇専門チャンネルで2013年に放送された料理番組(終了)で
江戸後期の庶民の台所を舞台に、登場人物が調理した毎回2品の
料理を、背景にある食文化や食材に関する歴史エピソードなどと
合わせて紹介し、料理のレシピは、江戸時代の料理書など当時の
文献を参考に、人々が実際に食べていた料理を再現。
(詳細は番組ホームページに掲載)


熊本ホテルキャッスル

熊本キャッスルホテル・細川家古料理
肥後五十万石・細川家の伝統料理を、昭和53年に細川家の
第17代当主・細川護貞氏から教えを受け、時代考証に基づき、
料理仕法書から忠実に再現し、現代に蘇らせました。
※細川家古料理は、予約制のみ











posted by 橙花 薫 at 00:00| トレンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする